本物の香りを引き出すプジョーの電動ミル

 コーヒーは豆から挽くのがおいしいように、スパイスも本来の香りを楽しめるのは挽き立てに限ります。とくに料理の仕上げに使うことの多いコショウは、挽き立ての香りが料理の仕上がりをワンランクアップさせます。世界中のシェフから圧倒的な支持を受けているプジョーの電動ミルを紹介します。

1800年代から続く世界的なブランド

 フランスのプジョーといえば、一般的には自動車を思い浮かべる人が多いでしょうが、実はシェフの間では「プジョーといえばペッパーミル」なのです。

 プジョーはもともと1800年代に、のこぎりやかんななどの工業製品のメーカーとしてスタートしました。そこで培われた切削技術を活かして1874年にペッパーミルの生産が開始されました。

 プジョーのペッパーミルには140年以上の歴史があるのです。

 自動車が生産されたのは、その後1889年になってからで、現在では自動車部門とペッパーミルを含む工業部門は分離し、それぞれで事業を展開しています。

 今でもプジョーのシンボルとなっているライオンのマークは、ライオンの牙のように鋭く切れるという意味からついたもので、1850年から採用されているマークです。

自動車にも使われているプジョーのライオンのマーク

 プジョーのミルが高い評価を受けている理由は、刃の構造によるすばらしい切削能力です。

 ペッパーミルは、独自のらせん形状による鉄製の二重構造刃を採用しています。コショウの粒がしっかり食い込まれて、均一に香り高く挽けるのが特徴です。

 ただし錆びやすい塩を扱うソルトミルには、ステンレス刃が採用されています。今回紹介するのは、その伝統的な技術を電動式にした「エリスセンス」というモデルで、ペッパーミルとソルトミルが用意されています。

プジョーの技術が詰まっているペッパーミルの刃の部分。ソルトミルは構造も素材も異なります

調理中に圧倒的に便利な電動ミル

 一般的な手動ミルは、両手を使って本体を回して挽きますが、電動ミルなら片手でつかんでスイッチを入れるだけで力を入れる必要もありません。調理中の忙しいときに使用するなら、片手で使える電動ミルが圧倒的に便利です。

「エリスセンス」は、タッチセンサーを内蔵しているので、スイッチのオン/オフは、上部と側部にそっと手を触れるだけでOKです。

 ミルの挽き加減は、本体のダイヤルを回せば、パウダー状から粗挽きまで6段階に調整できます。

 粗挽きとパウダー状にして挽いてみた例を写真で掲載しましたが、どちらも粒がとても均一に挽かれていているのがわかるでしょう。

左が粗挽き、右が細かく挽いたものだが、どちらもきれいに均一な粒になっています

 挽き立てのスパイスの香りも高く、市販の粉状スパイスとは全くの別物です。スパイスの香りも一つの調味料として、料理を引き立ててくれます。

 均一に香り高く挽ける切削能力の高さが、プジョー製ミルの魅力です。安価な電動ミルには、挽き加減の調整ができなかったり、均一に挽けなかったりするものも少なくありません。しかしエリスセンスはモーターがパワフルで、安定して均一に挽けます。

 また稼働時はLEDライトが点灯するようになっていて、調理中に鍋に直接入れるときなどに使用量が見やすいです。コショウにしても塩にしても、食材によってはかけた量が見えにくいときがあるので、使ってみるとこのLEDライトの便利さがよくわかります。

 キッチンに出しておくことの多いペッパーミルは、油汚れが付着するので、木製のミルはどうしてもベタベタになりがちです。ステンレスボディは清掃がしやすく、デザイン的に美しいだけでなく実用性にも優れています。

動作時にはLEDライトがつくので、食材にどの程度かかっているのかが分かりやすい

粉状のスパイスとは全くの別物

 本製品を使って挽いてみたペッパーは香り高く、スパイスの存在感を強調します。この香りこそが挽き立てのスパイスの魅力であり、市販の粉状のスパイスと全くの別物である理由です。

 香りが高いので、料理に使うときにも少量で香りと辛さを強く感じられます。そのため必要以上にたくさん投入することも少なくなります。

 ソルトミルのほうは、クリスタルソルトという岩塩専用で、粗塩など湿り気の多い塩などには使えません。塩をしっかりときれい挽くには、切削能力の高さがものをいいますので、プジョーのソルトミルは、その点でも非常に優れています。

 料理の仕上げに塩を振りかけるときに、メニューによって細かさを変えるというのは、やってみると思いのほか効果が高く、口当たりの違いで料理の印象も変わります。

コショウの香りで引き立つステーキ

 塩とコショウで引き立てる調理として、ステーキを焼いてみました。焼く前に振りかけるだけでなく、味付けもシンプルに塩とコショウだけにしてみます。

 食べる直前にブラックペッパーを少し挽いてかけることで、さわやかな香りが立ち、肉の脂っぽさをすっかり消し去ります。スパイス香りが立つからこそ、シンプルに肉の味を楽しめました。

ステーキにシンプルに塩とコショウで味付けしましたが、ブラックペッパーがきいてさっぱり食べられます

カルボナーラはブラックペッパーが決め手

 もう一点は、カルボナーラを作ってみます。卵とパルミジャーノチーズを使う濃厚なカルボナーラには、ピリッとしたブラックペッパーが仕上げに欠かせないからです。

 挽き立てのブラックペッパーの香りが食欲を誘い、卵とチーズのまろやかな味を引き締めて、料理の味をワンランク引き上げました。

濃厚なカルボナーラもブラックペッパーの香りと、ぴりっとした辛さがアクセントになって美味

 料理において塩とコショウは、数多くの調味料のうちのひとつでしかありませんが、もっとも基本的な調味料で、これがしっかりしていると、料理の質も高まります。

 そしてこのエリスセンスはデザインにも優れ、キッチンやテーブルにあるだけでも気分があがります。少し高価なアイテムですが、まずはペッパーミルを入手して、その効果の高さを実感してみてください。