意外と多いフッ素加工フライパンのNG事項
一般の家庭で使用されることの多い、鍋やフライパンはフッ素加工されているものが多いでしょう。食材が鍋やフライパンにくっつかず、焦げ付かないので、使い勝手がいいと人気です。
しかし、フッ素加工はずっと効果を持続するわけではなく、ある程度使っているうちに食材がくっついたり、焦げ付いたりしてきます。効果の持続は半年かもしれないし、3年かもしれません。それは使っている人がどのように使うかによって大きく変わってきます。
フライパンや鍋の説明書をじっくり読む人は少ないと思いますが、実は説明書にはやってはいけないということがいろいろ書かれています。ここではフッ素加工でやってはいけない代表的なNG項目をご紹介します。
強火で使用しない
フッ素樹脂加工は高温に弱く、耐熱温度は250度くらいです。耐熱温度を超えるとフッ素樹脂加工の性能が損なわれて、くっつきやすくなってきますし、加工そのものがはがれてくる原因にもなります。ほとんどの製品では、強火で使用しないように注意書きがあるはずで、火加減は弱火から中火で使うのが鉄則です。
ちなみに中火とは、炎の先端がフライパンの底につくぐらいの強さが目安です。
空焚き厳禁
食材を入れないで家庭用の一般的なガスレンジで加熱すると、1分程度で約200〜300度に、5分程度でもう400度近くまで温度が上がってしまいます。フッ素加工が傷むのはもちろんですが、さらに高温になって400度を超えると人体に有毒なガスが発生することが神奈川県などの実験から明らかになっています。危険ですので空焚きは絶対に避けましょう。
表面にキズをつけない
フッ素の加工はかなり薄いので、金属のフライ返しなどでこすると表面にキズがついてしまいます。キズがつくことで、そこに油や水、食品などが入り込み焦げやすくなったり、はがれるようになってきまする。製品の中には「金属ヘラ使用OK」という表示がされているものもありますが、強度が高いと言うことで、加工がはげないわけではありません。同様の理由で、たわしやクレンザーなど使って洗うのもキズをつけることになるのでNGです。
また製品によってはフッ素加工について10年などの長期保証をしているものがありますが、ほとんどの製品がフッ素加工がはがれることに対しての保証で、食材をくっつくようになっても対応されません。
急激な温度変化をしない
調理したばかりのフライパンを急冷するのは、フッ素樹脂加工にはダメージを与えます。高熱から急冷を行うと 金属とフッ素樹脂の収縮の比率が違うためはがれが生じます。一度ではがれてしまうわけではありませんが、そのことによってダメージを受けます。
もし調理した後に洗い流すなら、しばらく放置してからがいいでしょう。または、水ではなく、お湯を使って流します。
作った料理を放置しない
つくった料理をずっとフライパンに入れておくのも望ましくありません。フライパンについた微細な穴(ピンホール)や傷などから、油などがしみこんでいくので、フッ素樹脂加工がはがれやすくなります。
また鍋やフライパンに汚れがついていると、それがこびりついて、食材がくっつきやすくなります。汚れは中性洗剤と柔らかいスポンジできれいに洗い流すようにしましょう。
デリケートなフッ素加工
こうしてみるとフッ素加工の調理器具の使い方はかなりデリケートです。フッ素加工の効果を長持ちさせたければ、これらのNG項目を避けて利用してください。
まあ3000円のフライパンを3年使うと考えれば、年間1000円で月に100円以下ということになります。そう考えればさほど高くないという考えもありますが、エコではありません。できるだけ使い方に注意して長持ちさせてください。